人事労務手続の制度概要について

迅速かつ正確に人事労務手続を進めるためには、ぜひ当事務所のアウトソーシングをご活用下さい。

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人事労務手続の概要

「企業は人なり」といわれていますが、人材不足が問題となっている現在では、人事労務管理の重要度はますます高まっております。従業員に安心して働いてもらうためには、法律で定められた人事労務手続を適切に進めていくことが必須となります。

法人を設立した場合

法人を設立した場合は・・・

法人の場合、例え社長1人の会社であっても、社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入義務があります。登記が完了した後に事務所の所在地を管轄する年金事務所に社会保険の新規適用届等を提出する必要があります。ただし、設立後に役員報酬を支払わない場合は社会保険の加入はできませんので注意が必要です。

【必要な手続き※社長1人の場合】
健康保険・厚生年金保険新規適用届
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
健康保険被扶養者(異動)届、国民年金第3号被保険者関係届 ※被扶養者がいる場合のみ
※設立と同時に従業員を雇う場合は、次項の「従業員を雇った場合」の手続も合わせて必要となります。

従業員を雇った場合

従業員を雇った場合は・・・

従業員を雇った場合、勤務形態に応じて適切な保険に加入させる必要があります。また健康保険証の発行には時間が掛かりますので、早急に手続を進める必要があります。

【必要な手続き】
労働保険料保険関係成立届(労災保険、雇用保険分) ※初めて雇った場合のみ
労働保険料概算確定申告書(労災保険、雇用保険分) ※初めて雇った場合のみ
雇用保険適用事業所設置届 ※初めて雇った場合のみ
雇用保険被保険者資格取得届
健康康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
健康保険被扶養者(異動)届、国民年金第3号被保険者関係届 ※被扶養者がいる場合のみ
 ※設立と同時に従業員を雇う場合は、前項の健康保険・厚生年金保険新規適用届も合わせて必要となります。
時間外労働・休日労働に関する協定届(36協定) ※従業員に時間外労働、休日労働をさせる場合
就業規則届 ※常時10人以上の労働者を使用する場合

【保険対象者】
(労災保険)
勤務形態に関わらず全ての労働者が対象となります。ただし役員(取締役※、監査役)は対象外となります。
※従業員としての身分を有し、給与と役員報酬の両方を貰っている兼務役員については、対象となります。

(雇用保険)
所定労働時間が週20時間以上でかつ31日以上の雇用見込みがある労働者が対象となります。年齢制限はありません。ただし役員(取締役※、監査役)は対象外となります。
※従業員としての身分を有し、給与と役員報酬の両方を貰っている兼務役員については、対象となります。

(健康保険、厚生年金保険)
常勤の取締役、および一般社員が対象となります。また、1週間の所定労働時間および1か月の所定労働日数が同じ事業所で同様の業務に従事している一般社員の4分の3以上である労働者(※)は対象となります。健康保険は75歳未満、厚生年金保険は70歳未満が加入対象となります。
※ 一般社員の所定労働時間および所定労働日数の4分の3未満であっても、下記の5要件を全て満たす方は、被保険者になります。
1. 週の所定労働時間が20時間以上あること
2. 雇用期間が1年以上見込まれること
3. 賃金の月額が8.8万円以上であること
4. 学生でないこと
5. 常時501人以上の企業(特定適用事業所)に勤めていること

【注意点】
1.従業員を雇う場合には、最低賃金を下回っていないか、必ず確認しましょう。
  (参考記事:最低賃金のおさらい)
2.従業員を雇う場合には、労働条件を必ず明示しましょう。
  (参考記事:雇い入れ時の労働条件の明示について)

従業員が退職した場合

従業員が退職した場合は・・・

従業員が退職する場合、会社で加入していた保険を喪失させる必要があります。退職後の失業保険の申請や社会保険の切り替え手続に影響がでますので、早急に手続を進める必要があります。

【必要な手続き】
雇用保険被保険者資格喪失届
雇用保険被保険者離職証明書(労働者が希望する場合のみ)
健康保険・厚生年金保険被保険者資格喪失届

賞与を支払った場合

賞与を支払った場合は・・・

毎月の給与から控除される健康保険料・厚生年金保険料とは別に、賞与についても同率の保険料を納付する必要があります。

【必要な手続き】
健康保険・厚生年金保険被保険者賞与支払届総括表
健康保険・厚生年金保険被保険者賞与支払届

給与を増減した場合

給与を増減した場合は・・・

固定的賃金の増減があり、賃金が大幅に変動した場合、上記の毎年度の定時決定を待たずに、随時改定の手続を実施する必要があります。下記の条件に該当する変動がああった場合に手続が必要となります。

【随時改定が必要となる賃金変動条件】
(ア)昇給又は降給等により固定的賃金に変動があった。
(イ)変動月からの3か月間に支給された報酬(残業手当等の非固定的賃金を含む)の平均月額に該当する標準報酬月額とこれまでの標準報酬月額との間に2等級以上の差が生じた(※)。
(ウ)3か月とも支払基礎日数が17日(特定適用事業所に勤務する短時間労働者は11日)以上である。

※「固定的賃金は増加したが、非固定的賃金が減少したため、2等級以上標準報酬月額が下がった場合」、または「固定的賃金は減少したが、非固定的賃金が増加したため、2等級以上標準報酬月額が上がった場合」は随時改定の対象外となります。

【必要な手続き】
健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額変更届

毎年度の手続き(社会保険編)

社会保険の毎年度の手続きは・・・

社会保険料の計算基準となる標準報酬月額は毎年度見直しが行われます。7月1日現在で使用している全被保険者の3か月間(4~6月)の報酬月額に基づき、標準報酬月額を決定し直します(定時決定)。決定された標準報酬月額は9月分の保険料から適用となります。
※6月1日~7月1日まで入社した被保険者については定時決定の対象外となります。

【必要な手続き】
健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届総括表
健康保険・厚生年金保険被保険者報酬月額算定基礎届

毎年度の手続き(労働保険編)

労働保険の毎年度の手続きは・・・

労働保険(労災保険・雇用保険)の保険料は年度(4月1日~翌3月31日まで)単位で計算し、毎年6月1日~7月10日までの間に申告・納付を行う必要があります。前年度の確定保険料の計算と今年度の概算保険料の計算を同時に行い、労働保険料の申告・納付を毎年度行っていきます。

【必要な手続き】
労働保険料概算確定申告書
確定保険料・一般拠出金算定基礎賃金集計表(申告書の控えと合わせて保管)

備考:建設業の現場労災(一括有期事業)も同時に申告・納付します。

業務中に事故があった場合

業務中に事故があった場合は・・・

労働者が業務(通勤時も含む)を原因として負傷、疾病、死亡した場合、労災保険から給付を受けることができます。労災事故があったにも関わらず、適切な申告・手続を行わなかった場合、「労災かくし」として厳罰の対象となりますので十分注意が必要です。

【必要な手続き】
療養補償給付たる療養の給付請求書
⇒労災指定病院にて、現物給付として無償で治療を受けることができます。
休業補償給付支給申請書
⇒労働災害により休業した場合には、第4日目から休業補償給付が支給されます。
労働者私傷病報告書
⇒労働災害により休業、死亡した場合に提出する必要があります。

業務外で従業員の傷病が発生した場合

業務外で従業員の傷病が発生した場合は・・・

被保険者が病気や怪我のために会社を休み、報酬を受けられない場合、健康保険から給付を受けることができます。仕事を休んだ日から連続して3日間(待期)の後、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。

【必要な手続き】
健康保険傷病手当金支給申請書

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行政書士・社会保険労務士 小林正和事務所